8年前にタイムスリップして紹介する 米津玄師『diorama』

今日は、タイトル通りのレビュー記事を書こうと思う。

 

紹介するのは、5月16日に発売された米津玄師のアルバム「diorama」だ。

 


米津玄師 1st Album『diorama』クロスフェード

 

とはいえ、「いや、米津玄師って誰?」という人がほとんどだと思う。まずは彼の紹介をしていこう。

 

彼の正体は、「マトリョシカ」「パンダヒーロー」などを生み出した超人気ボカロP、ハチである。ボカロ好きなら彼を知らない人はいないだろう。

ちなみに、米津玄師は「よねづけんし」と読む。「げんし」ではない。なんと、これは芸名などではなく本名らしい。

そんな彼がボカロ曲のカバーではなく、全曲書き下ろしで本人名義のアルバムをリリースするというのだ。楽曲製作からアートワークに至るまで、全て一人で行ったという。

 

彼の独特な世界観と魅力が詰まった1stアルバム「diorama」の中から、何曲かピックアップして紹介していこうと思う。

 

街

  • 米津玄師
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

この「diorama」というアルバムは、彼が描く箱庭のような「街」がテーマとなっている。

繰り返される日常、その中で抱える様々な苦悩、それらを受け入れながら生きていく人々。アルバムの一曲目であるこの曲は、特にその世界観が色濃く表現されている。

また、アルバムジャケットにナマズが描かれているように、東日本大震災の影響を受けているとも語っている。意識してじっくりと聴いてみると、また違った風景が見えてくるのではないだろうか。

 

ゴーゴー幽霊船


米津玄師 MV『ゴーゴー幽霊船』

 

MVが公開されている、アルバムのリード曲的な存在。

不思議な音を各所に散りばめながらも、複雑なリズム隊やギターのカッティングによってキャッチーな曲に仕上がっている。

特にセンスを感じられるのは2回目のAメロ(0:44~)で、R側で鳴っているギターだ。揺らした音が不規則なリズムで入っているのにも関わらず、歌を邪魔しない。この絶妙なバランス感覚こそ、米津玄師の魅力の一つであるといえる。

なお、このMVの動画編集も米津本人が行っている。あまりにも多才だ。

 

vivi


米津玄師 MV『vivi』

 

こちらもMVが公開されている曲。思いを素直に伝えることができない切なさを含んだ曲で、米津自身の内面がよく映しだされている。MVを観ることで、そのもどかしさがより伝わるだろう。

ギターのピッチを揺らすことで絶妙な不協和音感を醸し出し、シンプルな曲の中にも独特の雰囲気を持つ。

Cメロでは「カリブー」「閑古鳥」などアルバムの他の曲に関する歌詞が用いられており、「街」をテーマとしたこのアルバムの象徴的な一曲となっている。

 

 

さて、簡単にではあるが、彼の魅力を紹介させてもらった。独特で天才的な感性を持つ彼だが、まだ21歳である。現在は一人で制作活動をしているというが、周りを巻き込んだ音楽の作り方をするようになれば、より多くの人に受け入れられる曲に仕上がっていくのではないだろうか。

大衆に向けて音楽を作り始めたら、彼はもう無敵だ。きっとドラマの主題歌の話も舞い込んでくるだろうし、それが大ヒットして紅白に出場することだって夢ではない。NHKの子供向けの曲だって作れるだろうし、俳優への楽曲提供なんかもするだろう。ひょっとしたらそのうち、あの嵐とコラボするなんてこともあるかもしれない。

 

まあ、さすがにそれは言いすぎかもしれないが(笑)

 

 

【今日の一曲】

懺悔の街/米津玄師

懺悔の街

懺悔の街

  • 米津玄師
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 
今回は米津回ということで、「Flower Wall」のカップリング曲を紹介。「街」という言葉が使われているように「diorama」の世界観に近いものがあり、好きな雰囲気の曲だ。あとアコギの音がめっちゃ好き。

改めて聴きなおすとやっぱ天才だわ米津玄師。いろんな音が聞こえる音質良いイヤホンに変えてよかった。

シングル曲が貯まってきてるので、そろそろアルバム出ないかなーと期待している。